インパクト投資とロジックモデル

インパクト投資の世界にロジックモデルという手法がある。私が大学院時代に学んだKellogg Foundationの資料がよくまとまっており、日本語だと日本財団が出している資料も分かりやすい。ロジックモデルでは組織の活動が影響を与える受益者ごとにInput, Activity, Output, Outcomeといった要素に分け、それらがどのように起こっていくのかをロジカルに捉え表していく。現在の活動や影響だけでなく未来におこるべくことも考えて表す。

インパクト評価という言葉がNPOや社会的投資の世界でもより一般的に使われるようになりロジックモデルを見る機会も多くなったが、使われ方には大きく二つの流れがあると感じている。1つ目はできるだけ精緻・正確に組織活動が与えるインパクトを表そうというもの。二つ目は、精緻度よりも組織の意図や方向性を明確にしようというもの。

私が実践してきたのは主に後者だ。営利、非営利に関係なく、組織のVision、また特にそこに至るまでのステップや目標というのは必ずしも経営者自身でさえ明確にもててないことは多い。ロジックモデルの一つの利点はそういったことを言語化していくことで組織が向かうべく方向を明確化し経営者また関係者で本当に理解することにある。

正確性というのは時として重要であるが、そこにとらわれすぎると、評価できる活動とできない活動があるのではないか、主観的になるのではないか、作ったロジックモデルから活動が逸れ内容にこだわるべきではないかいった議論に陥ることがある。正確性を追求することが目的となり、組織経営に活かして活動を改善するといったような本来の目的とから離れてしまう。

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