違ったコミュニティに繋がっている価値

違ったコミュニティにつながっていることが価値になる。先日クライアントとのMTG中にでてきた話。教師を派遣する教育事業を行っている組織で、派遣する教師へのサポートとしてあがったアイデアだ

また、別の人との別のMTGでも同じような話があった。自分がcomfortableと感じれるコミュニティにいることが重要という話。高度経済成長時代は特に仕事に関しては一つの場所で効率的にまた多くの時間を使うことが良しとされていたし、そうすることで企業も国も成長し国民は豊かになっていった。教育制度もそういった考え方をベースに設計されたのではないかと想像する。今後は企業にもより新たなビジネスチャンスを創ったりすることが求められていく中、皆に一様に自社で多くの時間を使ってもらうことではなく外からアイデアを持ってきたりすることが求められる。多様な働き方が認められてきている要因にはそういったこともあるのではないかと思う。

私自身もいくつかのコミュニティにつながっていて違った業界やテーマであっても共通することは多くありアイデアや考え方を活かせることがあると感じる。そう思うとコミュニティ創りというのはとても興味深い。

インパクト投資と事業計画

事業を作っていく過程において事業計画作成は非常に大事なパートだと思う。起業家や経営陣が何を目指しているか、それをどうやって達成しようとしているかを具体化することができる。多くの人にとっては、自身にとっても言語化や数値化することで見えてくることがたくさんあるし、他人にとってもその人の考えがわかるようになる。

インパクト投資においては、事業性を見る上では通常の投資と変わらないポイントを見るがそれらに加えてそもそも解決しようとしている社会課題やその企業の創ろうとしているインパクトという点も見ることになる。具体的には下記のような点がポイントとしてあげられると思う。

1.社会課題と御社のミッション・インパクト(Theory of Change、Logic Model)
2.事業内容・事業戦略
3.組織
4.資金
5.数値事業計画

1.にあるTheory of Problem/Changeは、そもそもどういった負の連鎖や社会課題があるのか、どこをどのように変えれば負の連鎖が変わっていくのかといったことを定義するもので企業のビジョンやミッションに近いもの。Logic Modelは、企業の活動が各受益者に与えるインパクトを一定の時系列のもとに整理するもの。最終的なアウトカムが社会レベルでのインパクトとなりビジョンやミッションに近いものとなる。( 慶応SFC研究チームによるTheory of Changeについての説明:https://www.kri.sfc.keio.ac.jp/report/project/2007/5/5.html )

これらをきちんと作成するとVisionやミッション・そのための道筋的なものが見えてき、それらを達成するためには何をすべきか(戦略)、その戦略を実行するためにはどういったリソースが必要か(組織・資金)、それらを表した数字(数値事業計画)といったことを説明できるかが事業計画作成のポイントとなると思う。

チーム作り

チーム作りは非常に難しいと思う。創業時の仲間から新たに人が入ってくるようなフェーズになると、必ずしも創業時の思いを100%ともにしている人たちでもなくベクトルを合わせていくのはとても困難で大変なことである。

私がこれまで支援してきた企業や団体でもそれぞれにチーム作りには苦労していた。急拡大したがために古いメンバーと新しいメンバーでの価値観の違いが現れたり、ベンチャーがゆえに柔軟さをもたせてきたところもあり統一されたルールがかっちりあるわけでもなくさまざまな確執が起きたこともある。また、経営側(特に代表)がものごとを決めすぎ、透明性にかけていたため現場との距離感が離れすぎていたこともあった。

こうすれば正解というやり方があるわけではなく、場面に応じて必要とされるものが変わってくる。ルールや意思決定プロセスのような仕組みが必要な場合、コミュニケーションのやり方の変化が必要な場合、意識合わせが必要な場合とさまざまで柔軟に対応しなくてはならない。

多数のメンバーで合意を形成していくというのは非常に難しいが、それを行おうと思うと、一度感情的なことも含めて本音を出し合うこと、その上で合理的なプロセスを皆がオーナーシップを持って作ることが関わるメンバーが納得感を持って合意を形成していくのは重要ではないかと思う。

主観性と客観性

仕事においては、主観性と客観性を持つことが大事だと感じる。まず、現状に関して客観的な情報をなるべく多く集め、いろんな角度から考えてみる。ただし、客観的分析だけではものごとは決まらない。もちろん、客観的にいろいろな要素を分析することは非常に重要なのだが、客観的に表しきれないこともあるし、客観的分析を経た後に主観的に一方の立場をとったり何かを決めたりすることでものごとは進むし議論を行うこともできる。

昨日、インパクト投資における投資基準について議論する機会があった。インパクト投資において、投資先が作ろうとしているインパクトや社会性というものは客観的にすることが非常に難しい。でてきたインパクトを客観的に測るということはできるかもしれないが、起業家や社員の人たちが作ろうとしているインパクトというのは彼らの意図でありとても主観的なものだからだ。ただ、ここで重要なのは客観性にこだわることではなく、起業家の意図にいかに共感できるか、同じ世界を作っていこうと思えるかという極めて主観的なものとなると思う(これはインパクト投資に限らないと思うが)。

可能なかぎり集めた客観的な情報をdigestした上で、決断/判断をする際は主観を持ちさまざまな人とその主観をぶつけ合い決めていく。こういったプロセスを行ってものごとを決めていくことを私は過去に学んだが、こうしたプロセスを経ることができないと決断への責任感がなくなり誰が決めたのかわからなくなってしまうのかなと思う。

「諦める」

とある参加したイベントで、スピーカーの方が「諦める」ということを学んだと話されていた。諦めるの語源はあきらかにするということいあるそう。

ネットで諦めるの語源を調べてみると、大谷大学のウェブサイトによると、仏教の教えから来ており「あきらかにする、つまびらかにする」とある。つまり、ものごとの道理をわきまえることによって自分の願望が達成されない理由をあきらかにし、納得して断念する。サンスクリット語では、真実、真理という意味にあたるそう。現代で使われるように、望んでいることを途中でやめるというだけの意味ではない。

一見、こうありたいと願う向上心を持つことと相反するようにも見えるが、理由をあきらかにして断念するということがそうなくさせるのかと思う。無駄に背伸びをするのではなく、自分にできることをあきらかにしていく、これをおこなうためには振り返りを行い自分についての理解を深めていくことが大事なのだと思う。

研修

振り返ると「研修」や「トレーニング」と呼ばれるものを過去に受けたいろいろと受けた。「リーダーシップ研修」、「メディアトレーニング」などからビジネススクールの2年間も広い意味では研修の一つだ。ただ、必ずしも受けてもすぐに実戦で使えないものもありその時にはその研修の狙いや活かし方がイメージ仕切れないものもあったが、そういう場面に実戦で出会ったり、自分が研修を企画する立場になるとよくわかる。

現在、計画している合宿のコンテンツを企画する中でいろいろ考えてみた。調べる中で学んだのが「関係の質」、「議論の質」、「行動の質」、「結果の質」という考え方。これら4つは「関係の質」をスタートにしたサイクルのようなものであり「結果の質」を変えるためには順番に改善していく必要があるという考え方。「関係の質」は、議論相手の価値観やバックグラウンドを理解しているか、遠慮や不要な心配をせずに議論できる関係性かといったことが含まれる。良い議論の場に入るとお互いの意見が重ね合わされ昇華していくような感覚がある。そういった議論の進め方にはテクニカルな側面も大いにあるのだが、こういった環境設定も重要だと日々感じているので納得感があった。

実はこういったことは過去に私が受けたリーダーシップ研修でも言われており、経験や価値観の共有の重要性やメンタルモデルの破り方などといった中で学んでいた。その時は理解はできたものの(振り返ると)イメージしきれておらず、今回企画する中で改めての気づきとなった。