マイルストーン投資は投資する際によく使われるが、その性質、特にマイルストーンの置き方について考えてみる。
インパクト投資の場合は、社会成果をマイルストーンに置くことがあると思うが、取り組むビジネスや提供資金の性質によって置くべきマイルストーンを見極める必要がある。
企業投資の場合、事業は複数あることがほとんどで、特定の事業があり使うリソースなどもある程度決まっているプロジェクト投資や助成金とは違ってくる。企業投資はそういった資金では拠出目的としにくい間接経費などの先行投資に資金を使うことが可能。ただしこの場合投じた資金によって現れる社会成果の前に、組織づくり、PMF、システム構築など踏む段階が多岐にわたりより複雑になる。おそらく、その中でどこに投資するのが成果をあげるために最も効果的なのかということを投資家と起業家の間で見極めながら資金使途を考えていくことが必要(デューデリジェンス)。この場合、投じた資金がダイレクトに特定の事業に使われるものではないため、現れる成果の距離が遠くなりマイルストーンの置き方は難しくなる。
いわゆる受益者を軸とした社会成果をマイルストーンに置くことも可能だと思うが、その場合次回投資決定の際には目標達成したかどうかという単一的な見方ではなく、投じた資金が効果的に使われたのか、そうでないならその原因はどこにあり次回投資を行うべきかどうかといった総合的な判断が求められると思う。