定例会

ハンズオンな経営支援を行なう場合、支援先と行なうことの一つに恐らく必ず定例会というものがある。月次、隔週、または四半期ごとなど頻度はさまざま考えられるが、定期的にMTGを行い抱えている課題や進捗状況などを共有してもらい、対策について練っていく場である。

個人的に定例会において重要と思う点は下記。
1.目標を持っておくこと:出てきた結果を見るだけでなく、当初に目的感や目標をたてておく。当時の想定とどう変わってきたのかから学びを得られることが多い
2.課題を共有してもらうこと:報告会であれば文書でもらえれば済むが、そうではなく組織や経営者が抱えている課題を共有してもらうことが重要。
3.議論の場とすること:課題を共有してもらった後は、それについて議論をできる場にすることが重要。ある意味、支援を行なう側の価値が試される場でもある。課題を共有して終わってしまうというような場合も見られるが、経営者や自分たちが集まれる貴重な時間であり有効に活用するためには、会議の場で行うのではなく事前に情報をもらっておいてアジェンダを考えたり資料を読み込んでいったりといった準備が必要


投資家側からすると情報を共有してもらえる貴重な場であり、また文書のやりとりだけでは難しい議論の場としたり知恵を出し合って課題の整理や解決策を考える場となる。私の経験からすると、多くの起業家にとっても日々忙殺される中で、中長期的な視点や組織を俯瞰してみる機会を設けることは難しくそういった場とすることもできる。とにかく、「報告書発表会」の場にしてしまわないことが重要だと思う。

ITとインパクト投資


先週、あるカンファレンスに出る機会があった。そこでイスラエルから来ていたスタートアッブの方がCybersecurityとインパクト投資について話していた。インフラ、災害対策など国家レベルでITは重要になり、サイバーセキュリティの重要性も増す。


以前に昔の同僚で今はOmidiyar Networkで働くインド人が来日していた際に食事をしながら話していて、Omidiyarが今最もフォーカスしているのはDigital Identificationという話も聞いた。たしかに、特に発展途上国的な観点でみると、unbankをはじめとして、IDが持てない人は多くいる。こういう人がIDを持てるようになって、銀行口座だけでなく教育、パスポートなどにアクセスできることのインパクトは大きい。


私がフィリピンでインパクト投資を行っていた時にも感じたが、発展途上国では、何かに対してアクセスが持てるかどうかが重要となる。貧困状態にある人はあらゆるものへのアクセスが限られていて、そこから脱する環境がなかったりそもそもそういうことを考えれるような教育を受けれないという負の連鎖がある。


一方で、アメリカのような先進国では、Facebook問題を発端とする個人のプライバシーを守るという観点でDigital IDへの注目は集まっているそうだ。
インパクトを与えるためには、個人の意識変容や行動変容が大きな鍵となるが、technologyは、人の行動変容を一気に変えれるという点で大きなツールだと思う。その意味ではインパクト投資との親和性もおそらく高く、もっと深掘りしたい分野の一つだ。