どんな世界を創りたいか

投資先を通じてどんな世界を創りたいかと考えることがこの仕事の大変な点でもあり醍醐味の一つだと思う。事業を創っているのは起業家や社員の方たちで彼らが主体であるのだが、主体性なく彼らに乗っかるのではなく、彼らの描いているものを感じながら自分としてどういう世界観を作っていくかということが大事だと思う。投資家と起業家がお互いにその世界観に共感した時に投資や経営支援が実行され本当に意味のあるものになっていくと思う。逆に言うと、そういったもの無くしては損得やマネーゲームのような話になってしまい本当の意味での協業はできない。

上記を表すものとして、投資前に投資先候補の起業家に意向表明書を書いたことがある。英語ではLetter of Intentとも呼ばれる。朝6時から近所のスターバックスにこもり、自分が理解した起業家の世界観、自分たちの持つミッションと世界観、そのためにすべきことととこちらから提供できることなどを書いた。それまでもLOIはたくさん書いたことがあったがもう少し形式的だったりテクニカルなものが多かったように思うが、その際は主観を込めて書き起業家からも受け入れられた。

世界観というところでもう一点書くとすると、インパクト投資やVenture Philanthropyを通じて何が作りたいかという視点も大事だと思う。同じような仕事を続けていくと、なんのためにやっているんだろうと思うことが出てきたり、どんな仕事に取り組むべきかと考える時に主体性がでてこなくなったりもする。時々一歩引いて、大きな視点や長い時間軸でものごとを考えることで行っている仕事の意味やその先に創りたいものが見えてくることがある。

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