Thinker

どんな仕事を行うにしても第一歩は思考から始まる。メールを書くにも、契約書を作成するにも、MTGを行うのもまずはそれを行うと頭の中で考える。頭の中で考えたことを行動に移すだけにそのプロセスについて考えることは重要ではないかと思う。

例えば、客観性と主観性。良く客観的分析が重要ということも耳にするが、客観的分析だけではものごとは決まらない。もちろん、客観的にいろいろな要素を分析することは非常に重要なのだが、客観的分析を経た後に主観的に一方の立場をとったり何かを決めたりすることでものごとは進むし議論を行うこともできる。

また、積み重ねも非常に重要だ。僕は、若い時はその場その場で力を発揮することが自分が価値を示す時だと思っていたこともあった。ただし、最近は積み重ねの重要さを感じる。一過性の力はある意味しれていて、インプット、アウトプット、振り返りというサイクルを積み重ねることで蓄積されていくものがあり、発揮出来る価値につながる。

最近はCautious Optimisticという言葉も自分で良く使う。要するに、事前に慎重になってよく考えるのだが悲観的にならないということ。特に、考える時は様々な可能性を考えて考えを張り巡らすが、行動に移す時は楽観的に行うようにしている。

多くの“一流”と言われる人たちと一緒に働くことができ感じたことは、皆上記のようなある意味基本的なことができているということ。テクニカルなことよりもこういったある種精神的な強さが重要だと思う。最近読んだThe Barcelona Wayという本に要石の習慣という言葉があった。研ぎ澄まされた重要な習慣が組織の文化を作っていくというものだ。これに通ずるところがあるのかもしれない。

中立の強み

先日、財団で中立の立場について考え・議論する機会があった。財団は基本的には非営利なので、課題解決やマーケットの発展のための活動を行い、中立な立場であることが多い。市民のものという概念から成り立っているNPOなど非営利団体も当てはまるかもしれない。

マーケットの発展には多数のプレイヤーの存在が不可欠だが、ここのインセンティブを満たせるような状態になるまでは中立的な立場の人が必要に思える(おそらく行政にも当てはまると思う)。ある程度市場が成熟してきて市場の均衡が成り立ってくると良いが、その前段階では個々の役割やinterestにこだわりすぎそのはざまに生まれてくるリスクや負担のギャップを埋めれないと案件や市場が成立してくるのが難しい。

Social Impact Bondと呼ばれる市場はそういった端境期にある。日本で約20、世界でも約140の案件しかまだ作られていないと言われている。黎明期であることもあり上述の中間支援組織と呼ばれるプレイヤーが活躍している。案件形成は決まった型がある訳ではなく思考錯誤で行われており、中立的なプレイヤーへ相談する機会も多々生じる。

中立の立場というのはかがけるミッションが達成されると存在意義がなくなるがそれが故の強みというのもあるのではないかと思う。

Social Impact Bondのあり方についてはThird Sector Capital AsiaのKevinから面白い話を聞いたので別の機会に書きたいと思う。